日経産業新聞

《中小企業向けERP》職人気質の経営者にも業務改善策を提示

セルコは下請け加工業者など中小製造業に的を絞った統合基幹業務システム(ERP)を開発した。中小企業の実態に基づき、簡単操作の生産・在庫管理システムと会計システムを統合し、一ヶ月の短期間で導入できる。ERPは会計中心のシステムが多く、中小製造業に絞り込んで割安に設計した商品は珍しい。

『一ヶ月で導入』

EPRの名称は「PRIMS−P3」。受注情報を入力すると資材発注や機械の制御などを自動で手配し、入庫から出荷までのスケジュールを画面に表示。
現場の担当者は、部品や半製品が通過した際に画面上の核当する工程をクリックするだけで簡単に生産情報を処理し、会計や総務システムにデータを即座に反映できる。

最大の特徴は、生産スケジュールを調整するバーチャル・プロダクション・シュミレーター(VPS)。
急な納期・仕様の変更や従業員の欠勤などに柔軟に対応するため、各工程にかかる負担を自動計算して最適な生産計画を提示できるようにした。中小製造業では財務が苦手な職人気質の経営者が多いことも考慮して、生産管理に基づいて経費分析から資金計画までを素早く算出し、営業や資金調達を機動的に行える。

価格は社員数百人の企業用がソフトのみで三千万円から、十人以下は生産管理などに絞って四百ー五百万円から販売する。大企業向けERPの場合、用途を会計に絞っても数千万円で、導入に半年以上かかる。


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